緑の牧草豊かなワイオミング州の、当時は交通の要衝として知られていたララミーのはずれにあるシャーマン牧場がこの物語の中心となっている。
父を悪人に殺された、20歳を過ぎたばかりのスリム(ジョン・スミス)と14歳の弟アンディ(ロバート・クロフォード)の2人でこの牧場をやっていかなければならないが、このかわいそうな兄弟を助けてくれるのが父の親友であったウィリー(ホギー・カーマイケル)だ。さらに流れ者のジェス・ハーパー(ロバート・フラー)を手伝いとして雇う。
スリムはまだ若いので、初対面の娘に一目惚れしてしまったり、割合のんきな純情青年だ。西部の悪人どもに取り囲まれて、危なっかしいことこの上ない。他人を信じようとしない孤独な流れ者のジェスも、アンディ少年のひたむきな彼へのあこがれと、この牧場の窮状を見るに見かねて兄弟を助けるという人情味豊かな1時間ドラマ。番組の最後には、淀川長治氏が西部こぼれ話をするのが、人気に拍車をかけている。ホギー・カーマイケルは名曲「スターダスト」の作曲家としても有名なピアニスト。
(「映画の友」昭和36年3月・西部劇特集号より) |

左からジェス、アンディ、ウィリー |